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母乳育児と薬

12/11/2014

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アメリカでは、薬のラベルに『妊娠および授乳中の服用は医師に相談すること』という注記をよく見かけます。これは、連邦規則集(CFR: Code of Federal Regulations)で「市販薬(OTC薬)の中で体内吸収されるものは、特別に除外されているものを除き、ラベルに『If pregnant or breast-feeding, ask a health professional before use.(妊娠および授乳中の服用は医師に相談すること)』と注意書きをくわえなければいけない」と定められているためです。(*1)

ラベルに授乳中についての注意書きがあるといっても、これでは消費者にとって有益な情報とは言えませんでした。

薬を服用する場合は、当人の健康状況や既往症、服用中の薬の有無と種類など、医師による総合的な判断が大切ですが、薬個別の特徴や母乳育児との関連性について調べたいときは、専門の書籍やウェブサイトで、これまでの研究で明らかになったことについての記載を探すことができます。

代表的なものは、書籍『薬と母乳(Medications and Mother's Milk)』とアメリカ国立医学図書館データベースです。

隔年で改版されるトーマス・ヘール博士の『薬と母乳(Medications and Mother's Milk)』は、薬がアルファベット順に並べられ、妊娠中のリスクレベルや授乳中のリスクレベル(それぞれ5段階に分類)、母親と赤ちゃんそれぞれへの潜在的副作用などが記載されています。ちなみにOTC風邪薬の主成分イブプロフェン(Tylenolなど)とアセトアミノフェン(Advil)は、どちらも授乳中のリスクレベルは『L1(最も安全)』に分類されています。

アメリカ国立医学図書館(U.S. National Library of Medicine)が運営している授乳中の服用薬に関する無料データベース(LactMed)には、服用薬が母乳にどれだけ移行するか、赤ちゃんへの影響、代替薬リストなど記載されており、毎月データ更新されています。

前置きが長くなりましたが、12/3にアメリカ食品医薬品局(FDA)から『処方薬およびバイオ薬品は、妊娠中または授乳中に服用する際の影響についてラベルに記載する』と規定を発表しました。授乳中についてのラベル表記は、『リスクについて』『臨床的検討』『データ』の3項目が加わり、服用した薬がどれだけ母乳に抽出されるか、赤ちゃんへの潜在的副作用は何かなどが記載されることになります。2015/6/30から新規定が実施されます。

つまり、来年7月以降に販売される処方箋は、ラベルに授乳と薬に関する有益な最新情報が記載されることになります。

先ほども述べましましたが、授乳中の薬の服用については医師に相談し、総合的に効果とリスクを比べることをお勧めします。また、薬の服用を指示/助言されたときは、必ず授乳中であることを伝えましょう。


*1:ここであげた注記は、第1〜50巻からなる連邦規則集のうち、アメリカ食品医薬品局(FDA: Food and Drug Enforcement Administration)と麻薬取締局(DEA: Drug Enforcement Administration)が管理する第21巻(Title 21:食物と薬物)セクション201.63に書かれている。

参考ウェブサイト:
コーネル大学法学部 Legal Information Institute
LactMed
アメリカ食品医薬品局(FDA)プレスリリース(12/3/2014)




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