授乳に関係するホルモンはいくつかありますが、その中でキーとなる2つのホルモンのお話をします。
一つ目は、おっぱい作りを助けるホルモンで、プロラクチンといいます。
プロラクチンの話の前に、簡単におっぱいのしくみを説明しましょう。
乳房の中に、乳頭に根元がある小さな木が何本も内側に向かって枝を伸ばし、枝の先に葉が茂っている 様子を想像して下さい。母乳の通り道をこの木で説明すると、枝の先にある葉っぱのかたまり部分に相当するのが、母乳の生産工場兼貯蔵庫で乳腺胞とよばれます 。乳腺胞から乳頭に向かって続く母乳の通り道が乳管で、木の枝や幹にあたります 。そして、木の根元にあたる部分が乳管の端で おっぱいの出口になります。一つの乳房に、おっぱいの木は15〜20本あり、それぞれ の木に、葉っぱのかたまりが10から100房あります。
さて、プロラクチンの話に戻ります。プロラクチンは、妊娠中に量が増えて、 乳管や乳腺胞の発達を助けます。木がどんどん枝をのばして成長していくわけです。産後におっぱいをたくさん作れるように乳管が枝分かれして乳腺胞が増えます。おっぱいの大量生産にそなえて母乳生産工場がたくさんできるのです。 妊娠中に乳房が大きくなるのはこのためです。
出産後に胎盤が体外に出ると24時間以内に プロラクチンレベルが7〜20倍と一気に増えます 。プロラクチンは、細胞に命令しておっぱいを作ります。授乳中は通常の約2倍までぐんと 量が増えて母乳を作り、授乳後には量が減って授乳前と同じ量に戻ります。
乳腺胞にたまっている母乳の量が減ったり、乳頭を刺激したりするとプロラクチンが増えます。赤ちゃんがおっぱいを飲んだり、搾乳することでもっとおっぱいが作られるわけです。
母乳の量が足りない、または、赤ちゃんの体重の増え方が少ないときに、ホスピタルグレードの搾乳機で搾乳するとよいと言われます。搾乳することで、おっぱいや体に「もっと母乳を生成して」というリクエストを送るためです。プロラクチンの働きで、赤ちゃんがたくさん飲めば飲むほど、お母さんの体にある母乳工場の生産量が増えていくのです。
二つ目は、乳腺胞にたまったおっぱいを乳管に絞り出すのを助けるホルモンで、オキシトシンといいます。
オキシトシンは、分娩中に赤ちゃんの産出を助け、産後は子宮収縮を助けます。授乳のときは、オキシトシンが増えることで乳腺胞のまわりの細胞 が収縮し母乳が乳管に押し出されます。これを斜乳反射(しゃにゅうはんしゃ)とよびます。母乳生産工場である乳腺胞から押し出されたおっぱいは、できたてほやほやの産地直送、脂肪分が多い母乳で後乳(あとにゅう)とよばれます。栄養たっぷりの後乳をしっかり飲むと赤ちゃんの体重は増えていきます。
斜乳反射のときに、ツツーッと感じる人やチクチクする人、体が熱くなったり、のどが渇く人がいる一方、何も感じない人もいます。斜乳反射を確かめる確実な方法は、赤ちゃんがおっぱいを飲むリズムが変化するかどうかを確認することです。斜乳反射が起こると、おっぱいの飲み方が「チュッチュッチュッ・・」という連続した飲み方から「ゴクッ(間)ゴクッ(間)・・」と間をあける飲み方に変わります。斜乳反射は、赤ちゃんがおっぱいを吸い始めてからだいたい1分後に起こります。赤ちゃんが母乳を飲みこむ様子は、耳の前あたりを見ているとわかります。
乳頭を刺激する以外に、赤ちゃんの声を聞いたり授乳の準備をするだけでオキシトシンが放出されて母乳が出てくることもあります。テレビから流れる赤ちゃんの泣き声で母乳が漏れる場合もあるでしょう。 また、 お母さんがリラックスしたり、温めたタオルを体にあてたり、胸をマッサージしても斜乳反射を促すことができます。
母乳が湧いてくる様子をイメージしながら、リラックスした気持ちで赤ちゃんとの授乳タイムを楽しんでください。きっとプロラクチンとオキシトシンが応援してくれます。
一つ目は、おっぱい作りを助けるホルモンで、プロラクチンといいます。
プロラクチンの話の前に、簡単におっぱいのしくみを説明しましょう。
乳房の中に、乳頭に根元がある小さな木が何本も内側に向かって枝を伸ばし、枝の先に葉が茂っている 様子を想像して下さい。母乳の通り道をこの木で説明すると、枝の先にある葉っぱのかたまり部分に相当するのが、母乳の生産工場兼貯蔵庫で乳腺胞とよばれます 。乳腺胞から乳頭に向かって続く母乳の通り道が乳管で、木の枝や幹にあたります 。そして、木の根元にあたる部分が乳管の端で おっぱいの出口になります。一つの乳房に、おっぱいの木は15〜20本あり、それぞれ の木に、葉っぱのかたまりが10から100房あります。
さて、プロラクチンの話に戻ります。プロラクチンは、妊娠中に量が増えて、 乳管や乳腺胞の発達を助けます。木がどんどん枝をのばして成長していくわけです。産後におっぱいをたくさん作れるように乳管が枝分かれして乳腺胞が増えます。おっぱいの大量生産にそなえて母乳生産工場がたくさんできるのです。 妊娠中に乳房が大きくなるのはこのためです。
出産後に胎盤が体外に出ると24時間以内に プロラクチンレベルが7〜20倍と一気に増えます 。プロラクチンは、細胞に命令しておっぱいを作ります。授乳中は通常の約2倍までぐんと 量が増えて母乳を作り、授乳後には量が減って授乳前と同じ量に戻ります。
乳腺胞にたまっている母乳の量が減ったり、乳頭を刺激したりするとプロラクチンが増えます。赤ちゃんがおっぱいを飲んだり、搾乳することでもっとおっぱいが作られるわけです。
母乳の量が足りない、または、赤ちゃんの体重の増え方が少ないときに、ホスピタルグレードの搾乳機で搾乳するとよいと言われます。搾乳することで、おっぱいや体に「もっと母乳を生成して」というリクエストを送るためです。プロラクチンの働きで、赤ちゃんがたくさん飲めば飲むほど、お母さんの体にある母乳工場の生産量が増えていくのです。
二つ目は、乳腺胞にたまったおっぱいを乳管に絞り出すのを助けるホルモンで、オキシトシンといいます。
オキシトシンは、分娩中に赤ちゃんの産出を助け、産後は子宮収縮を助けます。授乳のときは、オキシトシンが増えることで乳腺胞のまわりの細胞 が収縮し母乳が乳管に押し出されます。これを斜乳反射(しゃにゅうはんしゃ)とよびます。母乳生産工場である乳腺胞から押し出されたおっぱいは、できたてほやほやの産地直送、脂肪分が多い母乳で後乳(あとにゅう)とよばれます。栄養たっぷりの後乳をしっかり飲むと赤ちゃんの体重は増えていきます。
斜乳反射のときに、ツツーッと感じる人やチクチクする人、体が熱くなったり、のどが渇く人がいる一方、何も感じない人もいます。斜乳反射を確かめる確実な方法は、赤ちゃんがおっぱいを飲むリズムが変化するかどうかを確認することです。斜乳反射が起こると、おっぱいの飲み方が「チュッチュッチュッ・・」という連続した飲み方から「ゴクッ(間)ゴクッ(間)・・」と間をあける飲み方に変わります。斜乳反射は、赤ちゃんがおっぱいを吸い始めてからだいたい1分後に起こります。赤ちゃんが母乳を飲みこむ様子は、耳の前あたりを見ているとわかります。
乳頭を刺激する以外に、赤ちゃんの声を聞いたり授乳の準備をするだけでオキシトシンが放出されて母乳が出てくることもあります。テレビから流れる赤ちゃんの泣き声で母乳が漏れる場合もあるでしょう。 また、 お母さんがリラックスしたり、温めたタオルを体にあてたり、胸をマッサージしても斜乳反射を促すことができます。
母乳が湧いてくる様子をイメージしながら、リラックスした気持ちで赤ちゃんとの授乳タイムを楽しんでください。きっとプロラクチンとオキシトシンが応援してくれます。